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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

wa!ひろさん詩文控2

【53 つれづれなるまま】



どこでもいいから、旅したい
旅をすると、世俗の欲を貪らなくてすむから
できるなら周囲を囲っていないところで
はるか昔を想わせるところがいいね
なにごとも古き世のおもしろさか
ヨハネスブルグは殺伐としているというし、
インドは盗掘だらけのマーケットだというし、
ガンジス河は汚すぎるっていうし、
でもそういうのも飛鳥川の淵瀬のように
また人の心はきっと変わってしまうから
道具も、本も、CDも、
ただ、褒める人も貶す人もいるんだろうな
財産が多すぎるとやっかみ半分セレブだし、
しかしそんなことばかり言っていると、
「二の舞」の腫面のような顔になるかも知れない
かといって仏道に入るとかいう性格じゃないし、
世界遺産めぐりできるほど気楽な性分でもないし、
でも蟻のごとく集まった蟻塚なシティーでも、
ひとりきりでいるよりはマシかも知れないだろ、
旅しながらガイドに寄りすがったり、
犯罪に巻き込まれてビビりまくったりするかも。
でも旅したい、コロンブスの頃から、
猿が人になる頃から、朝から晩まで
たとえ何処かにとどまるにしても、
色んな所に出掛けたんだろうな
「めなもみといふ草」はまむしに噛まれた人の
傷口につけるとすぐよくなるって。・・
ああ、旅こそが万事に人の心を磨く
ああ、つれづれなるままに
播く人のゆかしさで一歩ずつ歩きたい
巨人族や恐竜のようなあしあとを
残さなくてもいいから、
植物のにおい、水のにおい・・
生きているということのかりそめを
あだし野の露きゆることなく――



【54 つまり、開ける話か】


夫  :唐突だが、俺はいま今昔物語の開けてはならない箱の話を思い出した。
妻  :どんな話ですか? 今昔物語と言えば、確か、芥川龍之介の・・。
夫  ;解釈がどうかは知らないが、ある女に箱を預かってほしいと頼まれ、開けるなよ、と言われる。
妻  :ふむ。つまり、開ける話か。
夫  :正確に言えば、渡してくれ、といわれる。
妻  :渡すのだな、渡すのだな。
夫  :でもそのことをすっかり忘れてしまった。で、嫉妬深い妻が・・
妻  :おまえを殺した!



【55】



おもたい くさりに つながれながら

て に いばら

かぜが あかくそまり こころまで ふれながら

こんちゅう は 



【56】



風が、いまも


胸が痺れる
胸が痺れる
仕草
愛を知らない
愛を知らないと彼女が歌う
生きた昨日
生きた昨日を
癒えない今日
癒えない今日を



【57 傘をさすよ】



くだんない
つまんない
けど特別なんてsimple
この満たさんない何か
途切れていったとして



【58】



コンクリートと アスファルトの世界

息を吐いて

息がつまる。 (どこか憂鬱、)

向き合った現実、二階から一瞬でマッシュルーム・ティケット

タバコ吹かして 寝転んで

「美しい詩を教えてくれ」

彼女いまごろワインと料理を注文し

3、2、1... 聞こえない 疎外感

たまんなくダルイ



【59 あの夏の確信】



ー相容れない人と
子供のころに書いた落書きみたいな
陽射しを浴びて

後世に残る素晴らしき芸術

素敵なことね 泣けてくるなあ

時計を止めて 崩れかけた世界のあちこちから

葉緑体みたいに昼食へと変化するよ

可憐な花を愛しく見つめて

雲を よけるよ

[ドミニック~, Jean Auguste Dominique Ingres 1780-1867]

フランスの画家.新古典派の指導者.肖像画.歴史画を得意とし,また官能的な
裸婦像も多い.代表作「ルイ13世の祈り」「オダリスク」.



【60】



ー内気な僕が薄いREALを信じてた
すべてのアリエール(=背後)に

扉 が 開 い た

    愛

    I

    愛

EYE 藍 逢 愛

 キ



 を



 め



ビーナ [vina]



【楽】 インドの民族楽器の1つ.中空の筒にヒョウタンが取り付けてあり
共鳴するようにしてある,インド固有の半音階を構成する弦鳴楽器.〈現〉



【61 ~揺れていた】



汚俗
よくない風俗。悪習。
児童・生徒の学習帳ワークブックworkbook


雲呑

〔中国語〕中国料理の点心の一。小麦粉で作った四角形の薄皮で
豚のひき肉を包んだもの。ゆでてスープに入れたり、揚げたりする。
フントゥン。

悟れ倭人!

ーこの国では、揺れてる影を見下ろして
科学的事実を欲しがっていて、それで詩人は、
歴史をオーバーラップさせて、回復を試みていた。

陀羅尼(=わすれないよ)

リシーヴァーは俺さ、散らばってく時代に
悲しいほど硝子張りのインターネットをインストールした
街の中で、ほら・・・!



【62 椅子はプリーマ・バレリーナ】



ーRole Playing Gameは
スウィミング・プール
と語感が似ていたなんて
最初からどうでもいいことだった

ここはリヴィング・ルームか
プレアーか

ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 
ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 
ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 

  素晴らしき日常

彼女はジャンプしてる ステッピングストーンみたいに
彼はフライングフィッシュ

ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 
ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 
ブレーキンアップ・イズ・ハード・トウ・ドウ 


[ド Die Leiden des jungen Werthers]ゲーテの長編,1774年作.
親友の婚約者ロッテに恋し,苦悩のはてに自殺する純情多感な青年ウェ
ルテルが主人公.★本邦初訳,明治26年(1893)緑堂野史「若き
ヱルテルがわづらひ」



【63 サ ー  チ タ ウ ン この海はjoy】



1 地平線, 水平線
2 [通例複数形で] 〔思考・知識などの〕範囲, 限界; 視野
〔of, in〕on the horizon。〈=出来事など。起こりかけて,
切迫して〉

地球にひびが入って悪夢より酷い現実が待ってると
奴等は言った。奴等は発作的苦悶、星屑色でチアフル。
永遠のチャイルドフッド

〔古くは「ほうぐ」「ほうご」「ほぐ」「ほんぐ」「ほんご」とも〕

(1)書画などをかきそこなったりして、いらなくなった紙。ほごがみ。
「―籠(かご)」

(2)不要なもの。役立たないもの。

(3)無効。取り消し。破棄。

奴等は寄せ波テイラー。
プリディクションのバスタブ。
聖母の魂はすでによろこんでくたばる

    ☆ ☆ ☆ ☆


いっとくが、売られていった絵の中に
火事があったのさ。ウィズ・プレジャー!
めちゃくちゃな歌さ



【64】



食が細って痩せた程だった
凍えて死ぬ気だった
陶磁器や刀剣に憧れを抱いている雪の中だった

 「ヘーイ、倒産! ぼくら、投降しよう、
  プロダクションに! ――全部作り物なんだろ、
  賢いぜアンタ! いかれてる」

どぎついものを説き伏せられるのかい
途切れたときめきにまだどきりとするのかい
疾き風一陣

 「ヘーイ、読者! それは、特異なペンタゴン、
  特色は重なってる! ・・・得心なんざ俺が知るか
  さよならアンタ! 壊れてるぜ」
 

truth true 

    rurururu・・・

とりあえず言っとけ、
俺の言うことを聞いとけ、
This is it!



【65】



変  死  生
わ  ん  き
ら  で  て
な  い  い
い  て  て
   も  も

受信広い 緊急瞑想に不機嫌そうな、鈍、疲れた。 愛、

邂逅ふ 天雷无妄

天然誘接 都会では、皮肉、時には純粋に面白いお祝い、tender light

ほらもうごらんのとおり、暗い世界

take the chance それで気にならないつもりかい、

無関心なサイレントアイデア、白状する白昼、たぶんすばらしき歯糞

ティーンパニー!

わ 放

か っ

り て










ドンキホーテここが鳴る 
指揮破壊 
メロディー破壊
夕陽を破壊 
耳を破壊 
心像を破壊
生を破壊
死を破壊
何も残るな[はさみを拾い上げ、
開始する切断]
破壊する! 厖大を破壊
輪廻を破壊 ヘブンズも破壊
ほら語らの通り



【66】



パワープレーでひたすらに積み上げてきたこと

何度も失われるという法則の中にあった

僕はナイフで雪だるまをダウンさせようとして手が凍ってしまったし

手洗い場でお湯が出たら満ち足りるということを真理にした

花のようにシャープなつららがみっともなくナイフになれず風に舞って

僕はただのひとつも手放せなくて、ただ恐れずに、永遠に、と言った

吊鐘堂の静かなBGMどうしたらいい

妙齢のミルクでムードを無理矢理上げたってことわかっていたって

僕は宇宙が古くて大変な歴史だってことを知ってるよ



【67】



ちがう場所で

向かい合ってみることが

必要

無我夢中で

種子が顔の

くもの巣を

ふりはらう時まで



【68】



夢、空想の半分に、
バケツを伏せたように現われた
肖像画と遭遇
ー死刑囚が絞首台に
のぼる前に懺悔
をしなければならない
ように

突如そこに現れた
愛、恵みと慈悲の
マリア像、
回想は、神の息子、
ーすっかり忘れて
いた、稀薄な空気
この部屋の空気の悪さ
air pollution  
air pollution
・・・空気汚染

フレームを外した
刹那
せつな
、胸に描いた天使が
1999年の
あのシーズンのこども
の姿を借りて、
明暗入り乱れ
スペル!誘惑!

神よ、憐れみたまえ
憐れなたましいを墓に追いやることで
地平は肩飾りとなり
黒く眠っている朝の海は
したたるように青いのだ

ーそして世界は全身バネのように
きゅっと縮む
ファインダーは眩らんで撮れない
人工的な
光線でしか見えない
よごれた水、白い息
のように



【69】



ここのところ人一人
がやっと通れるかどうか
の扉のこと
を考えていた。

分度器状の小さな小窓
が井戸を覗きこむような格好
でついており

三角形のドアノブがあり
ロマンスを彩っているかのように
ロールしてい
るカーテンと

・・・その向こう側に
冷たい夜風がある
柩の中で眠っている
鏡の底
映画の底があると僕は思った

それが網目のように透いた時
ヒン剥かれるように
“虫籠”
と僕は直感した
花の盛りがすぎてゆかないように
“鳥籠”

いつの頃からか
貝殻に惹かれた
海の音に惹かれた
まるで開けっ放しの窓のように
くっきりと見えた
・・・トビラノサキニ

亀裂や結び目という暮らし
いつからか等身大が境界線となり
そこは留置場となった
そして時計の針が止まっ
たように
僕は夕暮れの中にいる
ほこりまみれでもう食べられない
飴細工(は、)

過去の暗い悲しみだ
花のひらくようには
good-byeできない 
澱んだ ――愛の真実

そこに細長い紐が見えることがある
堕ちてゆく、くらい時間の海の
ように
エルフが飛び廻わって
る首筋が透けてみえ
る花ひらくように
いままでが芝居か、それとも瞬間
か? 傷ついた人達の小箱をあける
と、いつも張りつめた糸
があった



【70】



teacup

妙に曲がっていた指。
顔の輪郭
もゆがんで。

「淋しくない?」

と彼女が訊いた。

「夏だけだよ」

「でも」

「うん?」

僕は珈琲を啜り、

ウェイトレスの

女の子の顔を見る。



【71 五行歌 7月14日】



蝉を見付けると、


   逆様に樹にしがみついていた


泡立った物質をいっぱい溜めている

      ・・蟹



【72】



あてもなく飛んでいる強い眩しい日光の中に キラキラ



【73 Girl friend ~柔らかく温かい日~】



よく晴れた、暑い日。絵具箱と画布とイーゼルを自転車に積んで、敬虔と哀愁のtokio
風の吹く度に簑から魂がこぼれ落ちそうな、さまざまに大好きなパラソルの骨。
梨か林檎の汁。なめらかで複雑な振子運動。迷路のような比喩的世界。
貧しくて薄暗い家の中に引き籠った、「愛撫?」
・・この謎が解けたら、灼熱をあげるよロマンティックにさせてあげる
虫籠の中で恋人は霧のように滲み込んでる。僕の眼にはそれなりに純粋な月。それなり
にはカメレオンのような窓、sky 
そして部屋中にはシャボン玉が――蝶になったり・・・蛾になったりして
気忙しいframe・・



【74】



1895年

あ る 朝                I L L U S I O N 

、 僕 は                 を 引 っ 繰 り 

                             返 し た



【75 ウォーターフォール、汗】



外科手術が多い街は
洗練された都会という幻想にみちてる
全身整形アウストラロピテクスよ
殻の中で掘削工事が行われている
鼻腔からラジオのジャズがきこえて
工場の煤煙が
「 老人の鼻のイヤリング 」
サングラスがずれてますよ 
違う! 汗
でもそれは皮肉じゃない・・
ただ、煙草の煙となって消えた
椰子の実がそれに合わせて落ちた
星が僕等に話しかけた
――目鼻なき暗き天爆ず



【76 NEWS】



マーメイドを
フランスではシレーヌ
ドイツではゼーユングフラウ
オランダではゼーミアミン
ギリシャではセイレーン
中国ではメイレンユィ

  × × ×

ところで、
人魚に足がないというのは
人間の適性検査みたいだ

  × × ×


メイレンユィはタレント志願だった
ミュージック・ライフ
スクランブル・レーェェェェェス
もちろん水泳選手
金メダル最有力候補

 × × ×

その美貌
ニュースになる



【77】



・・・・・・・・・植物と話してみる

[1]
 Q: 彼女に愛されてるの?
 A: そう、彼女に愛されてるわ

[2]
 Q: あなたは、彼女を愛してるの?
 A: もちろん

[3]
 Q: ということは、相思相愛ってわけだ
 A: 野暮ね

[4]
 Q: ところで、庭師とか、剪定することをどう思います?
 A: 愛と憎しみのフィギュール



【78】



Wake me up! 
 Hold me!
Kiss me!
Love me! 
Believe me!


    ☆ ☆ ☆


       ファニーな孤島で
      ボーダーとステイト
     について考える
    性愛は
    イ ンタールード
    首都高速は遠い



【79 (み)なのか(む)ではなく】



電信柱に
ハウスキーパー求み
と書かれ



【80 北斗七星】



僕が君に嘘をついた日
安堵が浮かぶように
物が静かだった
炎 嘘 
 炎 炎 炎 嘘

君が月曜日に風邪をひいたのは
多分そのせいだ
咽喉仏はアダムズ・アップル
勿忘草はフォーゲット・ミイ・ノット
・・ことばって
ただ外国語というだけで
嘘のような響きを持っている

僕はロシア語の
北斗七星
バリシァーヤ・ミドヴィエーディツァ



【81 木の話】



この木は牧羊犬パステクチャーが愛したものだ
牧羊犬と言っても、そういう地方の、また血統の話だ
パステクチャーは
僕のスウィミング・プールをオールドにした
そういうことってフラミンゴーなことだけどわりとあるよね
ところでここは公園なんだけど、
元々この木はフォンテエヌブロオの森から移植されたものだ
ここだけの話、伐採で一番あぶない地域はそこさ
チャップススティックスに化けてしまう
木はここで一生を安らかに送らしめたという話が残ってるけど
どうかな、もしかしたらベンチに化けたかも知れない
ここらへんにはツキノワグマとペンギンがいて
ディズニー映画並におもしろいから、
ディズニー通り公園と巷では呼ばれてる
なかにはパジャマーズというほかないクラブ犬たちも通るよ
みんな学校へ行くんだ「馬術」を習いにね
僕は当時、ミシン学校へと通う生徒で
日清ーと書くけどニーツァンと読む中国のラーメン会社の
エイリアンヌードルというのがすごく好きだった
柳にワイルドバードなフォーマシー
すてきな学校生活を送ったよ
パステクチャーはよく僕に郵便配達員を噛むたびに自慢した
「撃墜マークだぜ」
そう言ってこの木をさらに齧った
木のルックスはそのたびに乱れた
でもパステクチャーは僕を一度も噛まなかった


【82】


みえないあしたへ

ひと時の
 魅力的な時間
 新しく迫る よろこびに
下車するパンプスも
 砂に埋もれた 終電まで


【83】


彼女が僕に愛をくれる
She give me love


彼女がわたしには必要です、風よりも前に
うねうねと流れる川のように・・

砂を蹴りあげる靴のように
わたしは、眼を閉じて夢から醒める
それでよかった・・

遠くからきたの、
それとも、そのあたりに
・・・いたの?

足音がとらえにくいまま
行き交う人を皆、君のように

――思う

わたしには彼女が必要だ・・・低い声でやさしさを告げるのは
何故――何故なの・・・?

君への愛がわたしの心を震わせるから
・・・魂が満たされていることを
あなたの顔から知ることができるから・・


【84】


僕は星のかなしみ
を歌っていた

過ぎ去ったものは とおい
雲の影を彷徨っていた

「セカイ」
・・・と
発した僕に
森が
揺れる

・・・間もなく 僕の 悲しみが
   花や 動物のように なる――


【85】


ピンクの魔法です

・・いま みずみずしさ 求めます

  風が やさしさを 求めます

 ――夜 すべてが はなびら

   ・・めまいして 窒息

まだ取り返しがつくと

  ぼくらが 理解する時代です

家紋や家がらは 墓石だけです

 あなた達は 愛しい人を失って

   隣人を失って

――その悲しみに支配されて気づきます

    ・・ぼくらの憎悪の時代です

 責任に餓えてない

  使命に焦がれていない

卑怯者たちの時代です

 誰にも期待できない 朝が忍び込むのを

   止められない せめてもの 祈りの贐です

  ・・・まだ見えない 明日のための 歌です


【86 亀】


それなのに 笑ってる 笑ってた・・
先祖の家紋を背負わされ 一族の鈍い怨み
象の鼻のように皺がれた声

冬の陽の冷たさに どれ程 ささくれ立ったか
卵を産まねばならぬ 思想をあたためねばならぬ
・・・もはや 誰にも言えぬことと相成った
見定めようもない 竜宮城の記憶

人はもう笑わない ただ 過去の奥深くにつながれ
そこには あの時の 恥辱が 眠っている
怪物の 本能が 眼ざめそうになる

それにしても 冬の陽の冷たさだ
平安 鎌倉 元禄・・
わたし達は 器からこぼれた水のように 探った
さらさらと 音たてて 岩にしみ込んだ姿で


【87】


ことばに できない せんそう が ありまして
にゅうどうぐもに あふれている おもいなど ありまして
はてしない むねのなかに わかくして しんだ ひとなど
さらに はてしなく やさしいかおの ぼくなどもいまして

ずっとむかしに わすれられた よる が 
こんこんと さらさらと すがたかたちのない みず に
その みずに なまえをつけるほどに とうめいに
あこがれる ゆるしをこう じぶん も いまして

こたえきれなかった さみしさと あらそいに
からっぽになる いくさ いらくさ が ありまして
それから さくらのはなびら など が ふりまして
それから それから てんごくのゆか に なりまして

あめふりのきせつに しょうじょ の ひとみ が
しょうねん の ひとみ が まざりあう なつ の ひ
ほうしゃのう しょうかえき が まざり あ いて
かずしれぬ きみ すべる ひ ぬれる ひ と なりまして・・


【88】


the shine of street lights

この街で
何が見つかるか?
それが答えのように思えた

陽に透けた夕映えの錯覚がこのstationの沈澱だ
画面には傘を広げた雨の気配が彷徨っている

http://www.dumpr.net/amazing-goo.php
http://www.befunky.com/


【89】


kuruma-ga-hasitta

グッド・バイ うちふるえながら 
 グッド・バイ この呪われた昼

 どれくらい歩き続けていたのかわからない。深いターコイズの森と、ペルシャを想わせる青い空と、ただ、あてどもなく続く道の不毛を、俺はならず者のように歩き続けていた。ようやく白いバンを見つけて、俺は少し焦った。それがパンのように見えたからだ。白いパンよ、俺は腹が減っていた。エゴ社会、好き勝手にふるまっては“情報”を口にし、自分は賢いと見せた学歴野郎や、ボンボンが、実はこれ以上ないほどみじめで、内側にとてつもないコンプレックスを抱いているのだと見破った。そいつが俺に、羨ましいと言いたいくせに、そう言えなかったことも、俺にはわかった。だが、俺は腹が減っていた。そいつを喰うことに、何の躊躇いも見せない、俺の野獣の血が、この景色に呪いのような叫びをあげ、(瞬く間に、)しわがれてゆくほどに・・・グッド・バイ! うちふるえながら。グッドバイ この呪われた昼。・・

http://www.typorganism.com/asciiomatic/


【90】


 それでも こうやって 見棄てられた世界にも 虹がやってくる

  そして 鳥は翔ぶ 葉の手を振り払いながら 宇宙を呼び出すために


 心に 湧いてくるものが においのように 菫のようにもっと小さくなりながら

  心の 割れ目にこのんで咲く それは稀少な水のため 存在を強く胸に焼きつけるため


【91】


彼等は何処へ向かうのだろう
緑の葉が揺れている
同じ眼をして
赤くもなり黄色くもなる
ときどき虫に齧られ蒼くもなる
そして風は
やがて冬のものになってゆく
啄木鳥が穴をあける
それでも彼等は
金いろの波、銀いろの波
彼等が嵐の日に巻き上げられたとき
不幸だとは思わないはずだ
――月を知っていて
あの黒い翼、あの黝い翼のように
・・・うつくしいうつくしい星になる夢を見たから
「お前達は話していた、・・
子守歌のような風のリズムに揺れながら、
ああ早く!早く!
遠くへと出かけたい。
おお!風よ・・散らしておくれ、散らしておくれ、
こんなにも年老いた自分に、
燃えるような一撃を与えておくれ、
与えておくれ!あたらしい種のために・・
ただすべての調和のために、
わたし自身のために!と・・」


【92】


 この花の名前は真っ青な花だ。フローラル系の馥りがする。ひと目見た時、
みだりに花の名を記すのは、花粉の花。くっついている花粉の塊、ミツバチだ。
それはズボンのポケットへ両手を突っ込むように、穴があく。一隅に小さなほつ
れがあったのだ。ほつれは、この不要の風景の中にもある。印象とは手探りに
拾いだした、ほつれ、あるいは一種の事実のぼんやりした薄暗いものと言えるの
だろうか。最近、目先の変化に型があり、それは童話のようにやさしいものだと
気付いた。目に入るものは蒼茫たる暮煙でない。/この花の名前はブルーだ。
BLUEは却って不自然な身だしなみと、玩具のような手細工と、敢為な気性
のしなやかな表現である。幻想の坩堝とは如雨露である。頭の中に去来する
無数の穴から、じわじわと情熱が燃え上がるように幻が押し出されてくる。常に
希望となって輝くがために、蛆がわかない、こうした感想のためにまだ一度も冷静
になることができず、まだ液体は女のたしなみのような、日常生活を思い出させて
くれる。生命そのものの尊さ、賢さ、わたしたちの仇なこと。一見このましい寵愛のしるし
でプリズムする太陽の活動領域にあって、ああ夏の曇り日が、パラシュート操作
する。感情をゆすぶるばかりの、規則正しく配列されたように見える雲の高低緩急
にあって、さても爆弾を翼下にかかえこむ蒼白い顔の秘密は何だ。「この花の名は
ブルーだ。この花の名はブルーだ。」/そうだ、この花は水色だ。みづうみが湾曲するように、
雑然とした視界のなかでは脚色というほかない非現実的な統制からの指示で、
乱暴に事柄を膨張させ、萎縮させている。ひとたびその門をくぐれば、無残極まる
思い入れにスパッと切られる男らしさ、男勝り。それは皆目方角がわからぬ、
気の弱い、思いやりに富んだ、兎に角まあ温厚な人の暗澹たるものとでも言えそうで、その暗がり
からぼんやりと浮き上がってみえる瞳のおそろしい針の山。死相。ぞくっとさせる!
嫌な気持ちにさせる。ああ!ああ!嫌な気持ちだ。いやに不安な気持ちにさせる。
ばっ、と突然振り向く藪の狭い道、濁ってきた、ないしは汚れてきた所々に泡が浮いている
蛙。厭な顔だ。そりゃあ気の毒だとは思うけど、顔を見るのも厭だ!厭だ!景気臭い。
/そうだ、花の名はあじさい。 いや、いや、あさましい。紫陽花とはこれでない。だが、
紫であれば紫陽花だ。いや、浮気性。いや、買いかぶっているわけじゃございやい。
そうだろうそうだろう、紫陽花という顛末なら、「これは新種です」「いいえ、たんに
無知なだけです」・・・風が吹いて雨が降れば、どれもこれも紫陽花というやいやいやい。紫陽花とは、紫の陽の花と書く。ほんに眠りによく似た死顔でござい。


【93 NARU-NARU】


鳴るる
鳴るる
鳴るる
羽根に
短針が追いつく

  白い枠 鳴る!
  白い雲 鳴る!
  白い星 鳴る!

 虚像。黒く立ち昇れるとき
 葡萄の熟れてゆく
 レントゲンにマッチ棒・・

   鳴る
   鳴る
   鳴る
   水の中の生物
   野性化された神
 

【94】


ファッションに迷い出た蛙
窓ガラスに叩きつけるみたいな手をしていた

窓ガラスにへばりついている煙草の煙
小鳥の声――恋の変身

・・・と思っている間に
見えない夜の暗さが小鳥を唇にかえた

バスやトラックやタクシーの走る
この幹線道路でklaxonする!

君は舌の中に巣でもあるみたいに
ふと触れ合うやさしさの日記


【95】


すべての疑問符が
互いの言葉を見抜いたのだ

名付けられて身動き取れない瞬間が
人としての隙間を埋めていった

跡形もなく溶けていった解毒薬は
マッチ棒や咽喉に引っ掛かった魚の骨のように

語った すべての疑問符が
白砂を敷き詰めて砂浜になった

砂は風を読み 海を記した
そして星はすべての生物たちを照らした
この夜よ 美しくあれ!


【96】


コートの襟も立てないで
冷たさや深さを何に譬えようともしないで

のぼる坂道で雪を見たとも言わないで
語るよりも多く白い息を空へ逝かせた!と・・

言って この北風にさようならと言えるほどの
愛を 時のめぐりが閉じ込めた場所を

言って いつかのあたたかい優しさ
缶コーヒーより くちづけより 心の美しさを


【97】


僕は乾く 乾いてしまっていた
咽喉も生活も lalala

い・き・のしかた lalala 息継ぎ


【98】


UP&
NO-MORE
NO-MORE
DOWN


【99 自由律俳句 2011年10月19日】


どこかにある蔵
どこかにある酒


【100】


影が多い町
人影は
夜ばかり 寛一


【101】


魚のフライ
がおよいでる

なにか
ブルドックと孔雀が
こわれたバランスで
存在している
魚のフライ

跳ぶ 魚

とりたての魚ブルドックと孔雀が
こわれたバランスで
存在している
魚のフライ


【102】


Where
are you
going?


【103】


走り抜けてゆけ
ジェット機
ピストン運動
僕は売文家
剃刀
行き交うライト
腐乱した肉
爛れ焼けただれ
来る絵くる絵
燃え尽きて濡れ
灰になれ
たわけ!


【104 エイ泳ぐ】


不規則な呼吸朝酸っぱい臭いがする口内これ以上なく嫌な気持ちで目がさめる朝は呟
きが燃えるよ。うす汚れたふいになまめかしい自画像を見るよ。どうしてこんな夜
脱け出せない夜まぎれてゆく朝の中の夜をやめられない。熱に
うなされているのなら震えるはずなのに汗は流れない悪夢
のように立ちあがりロボット人間の誕生に涙が流れなくなって
久しい不規則な呼吸ジュ朝酸っぱい臭いがする。甘酸っぱい
夢によわらされ彷徨っているようだエイ書くな光線逃げられない
ぼくに鳴く虫英書くな光線戦時中の詩人とかわらないぼくはエイ
考な光線。裔考な光線。見棄てないでおくれ裏切らないでおく
れ人が罪を犯しているのに僕だけが傷をうけずに取り残される
昼玩具の兵隊せめてもの空にあがる銃声獣性ぼくの咽喉から
無数に飛び出してゆく叫びの声の欠片。ひらぺったいうすの
ろな顔を思い出すエイ書くなエイ考。きっと短い言葉で召さ
れたエイの言葉。エイ泳ぐ。エイ泳ぐ。エイ泳ぐ―――


【105】


立川は
いい街です
たぶん 寛一


【106 神様】


イメージを終え
イメージを終え
イメージを終え
おえっ!
おえっ!
ぐえっ!
ぐわらごき!
うえっ!
なんつーかうえっ!
吐いちゃうぞ!
ごめんなさいするぞ!
うえっ!
うえっ!
ぐわっ!
なんつーかゆわたーっ!
ゆっわたー!
オワターッ!
オマターッ!
しまうましまたー
どうれ!
どうれ!
なんつーかドレー
みそふぁのないカレー
意味わかんねー!
すげー
すげー
まったくもって
すげー
やる気がねー
体力すでにねー
イメージって何
イメヂって何
イメって何
いめって九得るの?
喰える食える
まったくもって
すげー
言葉じゃなくて
すげえー


【107】


カモメ
跳ぶ
地違うだろぼく 寛一


【108 色の階段】


あああ
たいくつな
うああああ
ふああ
ねむし
まむしもねむし
けむしはいや
みのむし
ねむし
あああ
とおくまできたな
きたなあ!
きたっぺ
きたっぺ
ねむるべ
ねむるよ
くああああ
くちばし
ある
よな
きもする
ファっ


【109】


Crazy

[オノマトペ:ガヤガヤ
ざわざわ]

泣くんだ、
まるで、
空がさ・・

空がさ・・

年をとってみて、
考えるよ。
本当にそこに何かあったのか、
それで悲しみってものが、
どういうものだったのかって。


【110 写真詩の反省】


それは
小さな
宇宙に
すぎなかった。


【111】


謎を解かなきゃ

答えを
見付けなきゃ

We are going to have a storm.
Are you going to remove the nerve?
~その扉を開けてくれ~


【112】


これ家です
むちゃくちゃ
合成です 寛一


【113】


映画より
時計が
気になる 寛一


【114】


自由律俳句って
まあ
こんな感じ 寛一


【115 愛が僕等を引き裂いてゆく】


YES!


【116】


うねうねと零の/毛芯は斃れ
その“穢れた鹽”は昂ぶるみどりの葬礼
・・・(「接続」)は柩の内部へと投射し、
若者の臀が母胎ないし女体という悪い苔に濡れ
「ふたりの間に」――(単位を)呼ぶ
濡れてはいない いくつもの描線と露出するモデル
――眞晝 歩道はConceptual art」)
眩んだ視界)」
鋼のフレアは楼閣の奔馬
破水する草叢の階梯に萬象が透きとおり
喉ー咽喉
(くづれる一文字のかなしみは
くづれる一文字のかなしみであるのに
・・・手で手折ることの真実は
[抱擁]する


【117】


無限に懐かしい舌は深夜舌に甘い縫製と製品名をつける。brandと拘束された瞬間に時の、時の重い軸
が外され工場の機械音ーめまぐるしい廃油ーおびただしい数のトラックで運びだされる。純粋哲学的
な考察は夢幻という七夕・・ときどき笹の葉、竹の葉によって植木屋や伐採する麻薬常習アルコール依
存の呪いに溺死する。レオナルド・ダヴィンチ一瞬にして夕星を竈を夜収穫へとわれわれの複雑な論
理をいそがせる時・・・高く翔べ投資回収率、メディア情報操作、――DNAにパリの真実の落差をあた
えて、転調 夜という夜が熟れてー売れてーおもいきれぬせせらぎが ひらひらと

  * * *
ココハドコデスカトイウチンモク
ソレハナンデスカトイウチンモク

自分の夜に潜れ 自分の嘘に潜れ 
自分の過ちに潜れ


【118】


                     そそがれて来るうすやみ
                     ひとりぼつちで描く
                しづか に ひとり で に
         水の精:ウンディーネ「わたしは言えない」
         火の精:サラマンダー「わたしも言えない」
         風の精:シルフ「わたしだと言えない」
         地の精:ノーム「・・・」
             ありふれた曼珠沙華。菊。
            彼岸花・・なにが悲しい草の根の
            にぎはしさ

        一心に 私は見つめているノーム/メトロノオム
        ・・・こまかい模様を編んでいた 時の針
          [泣き叫ぶ新生児 name]
     雨はすきとほってまっすぐに砂浜に降り
     雪はしづかに舞ひおりる世の人みな飢ゑ
     かの春の夜に聽く横笛――なにゆえわたしはなにゆえわたしは
     理窟に合はない猿の聲に波音を聽いたやうな
     
       山の向うの また山の向かうの
       地球の階段を降りてゆく
      ・・・せいいつぱい素直に 祝福をあげるための
      わたしからのpresentです
 

【119】


 I like white roses better than red ones.
暁のひかりに涙が
 こぼれそうになるけど・・僕は見た

Roses smell sweet.
輝いていてね
 美しく咲き誇っていてね
死 そして愛の姿よ
 空へ消える小さな窓の在り処はどこに


【120】


原題:The frost killed all the flowers.
「霜で花はみんな枯れた」


【121】


「死ぬのはいつも他人ばかり」(Marcel Duchamp)(2011年製作)


【122】


Haiku is to be anima.


【123】


(車は何処へゆくのだろう)
paint,paint,paint

撒き散らされた靴
赤い絵の具に
青い絵の具を混ぜなさい。
   ・・・黄色いこの街のすべて 
   浮かぶ ま で


【124】


pearl of the East
・・・東洋の真珠・・・

シトシト…って。かすかな雨音が、聞こえていました。。し。しっ。顔を向けた。
ちょっと長かった嬉しい。「えへ。ドキドキしちゃうよ。」明るく そして消えながら、
愛情・・胸をときめかす緊張デスっ。おもしろそうな、笑うようなさざめきでもなく、
胚芽の状態で潜在している、わたしは物的快楽を味わいたいという欲望を多
分に持っている。だから、ゆるやかなそよぎでもなく、永たらしい話し声でもなく、
雪はちらちら ちらちら動いて、かれくさのいいにほひがそこらを流れ、シトシト…
って。詩人、説教者、モラリスト、哲学者の涙ですッ!


【125】


海ノ底デ タブン、ヒトツノ車輪 ガマワツテイタ


【126】


dehydrated milk
――粉ミルク たとえば吹雪きが僕等の20世紀なら――


絵画や浮世絵のようさ
グリーンピース家屋にトーテムポールビル
食ひ捨てた蛤の殼――時間は奈美、由美、愛美たちとの
ホワイトマッシュルームな時間を思い出させた
「ベランダから見た空から寝顔を見てみよう、」
わかれ難くねずみのふでづかい
月を縛るstaccato 僕と、君の、空中庭園楽団
フブキノ中、“時”を待つ
巧みにだまして下さい、此の花びらをむしつて、
腹這つて覗く噴火口の底のうなり
蔽いかぶさった灰色の低い空、深々と湛えたミルク色の海、


【127「I believe it to be true.」】


昔からの看板もかかっている。
  欲しいのは ま ほう

    夢見ていたんだ  をきちんとそろえて、
   まっすぐに立っている  の姿

  もう平気だよ 青白くさっぱりしているから
  いまじゃ スタートラインに並んでる

      「 スリートゥー ワン !!!」
              で は 飛んでゆくよ
    
  飛んで ゆ く よ
     だんだん夜の 消 え て 

    青ぞらの出て来る空を見ながら

 
アイ・ビリーヴ・イットゥビイ・トゥルー
アイ・ビリーヴ・イットゥビイ・トゥルー


【128】


働く人、
天空から
落ちてくる


【129】


空に浮いている、雲
Haiku is to be anima.


【130】


《説明》

その時
僕等の世界が
終った、
人は、千年
これから、
地獄のような
歳月を
生きるだろう。


信じる者は、神
Haiku is to be anima.


【131】


「どこへ、帰るのだ君、は」
Haiku is to be anima.

  ・・・おお、自我の投影された肥大した幻影よ!
  悟りや神の意志さえ否定するクリシュナムルティは、
  ある日(どんな!)わからない――わからないけど、
  あらゆるものを断ち切るような静寂が来ると言った。


【132】


そう!あれは自由
Haiku is to be anima.


【133】


かがやかしい者 に、嘘 を、
Haiku is to be anima.

・・・(以下省略)いかにして人は自分を
否定し、自らの過ちを認め、真の神を非
難するに至るか。目覚めが開いた扉であ
ることを信じるなら、あなたは死のバネに
よって真っ逆さまに奈落の底へと落ちるだ
ろう。しかし、“落ちない”ということを
知っている人に、永遠に明日が変わること
はない。明日は陽が昇る、という過ちを認
め、仮想ジッドゥ・クリシュナムルティは呟
く。あなたはわたしに似ている。


【134】


あはは、あはは、あははははは
Haiku is to be anima


【135】


クラクションイエローの車が好き
Haiku is to be anima


【136】


躊躇という
球遊びを
梱包する

Haiku is to be anima


【137】


朝、麺麭と珈琲と
薬留と薬子と

Haiku is to be anima


【138】


不気味な鰻 
捉えどころ
がない 寛一

Haiku is to be anima.


【139】


糧食庫があり、弾薬庫があり、重油タンクがあり

ごオーッ、ごオーッ……ごオーッ

さっきまで鏡のようだったプールは、
にわかにざわざわとざわめいて、恐ろしい渦巻と共に
 もり上って来たのだ!

Haiku is to be anima.


【140】


都会は、檻
Haiku is to be anima.


【141】


夜はムービングスターたましひは死にむかひつ
Haiku is to be anima.


【142】


酒のごとく
強くもなければ
香り
Haiku is to be anima.


【143】


You're easily offended.
You're wet through.
君は怒りっぽい

君はびしょびしょ

Haiku is to be anima?
=自由律一行詩

・・・僕が必要としているものって
自由律俳句って、一行詩って、
短詩って、ああ随句って、
どんな国にも、広がるものなの?

――そして僕は、いま何を憶うの?

KAMOME


【144】


厚かましさ陳列室ぽかんとして滑稽な同じ空
Haiku is to be anima


【145】


どことなく
街は猿ぐつわ
放屁的沈黙

Haiku is to be anima


【146】


「密林彷徨」(wander a jungle)(2011年製作)


【147】


What's new?
You've changed.


【148】


he expressionist school
表現派


【149 MY LOVE】


脅えた顔がこわばり、髪が乱れて、
夜中じゅう眠れなかった。
――ああ遠い、一歩一歩、
蛆が雨露の透明さ、
まるでシャンデリアだ。さて、夜中、
水と月のために灯を消して、所作はのろく、
藤いろの時間が緩速し、
道路の片側を両目という腐った手と足が、
裏通りのくらい窓に姿を映しているとき、
ハンガーに掛かった外套ほどには、
自分を言い表せないことに気付く。
誰の描きかたの気まぐれで、
おれの眼は世界を紙切れにしたい、
紙切れにサインをして運びたい、
おれの眼に、光が闇の貌を持っている、
と歌ったのか、MY LOVE――
孤独にうたっている、風は
高いポプラの梢で甘くけだるい、
皮膚感覚の断片を
その傷のように街の明かりに
浮かびあがらせ。
皆、知らない顔に突然の予期せぬ
“動き”のなかでひと脚またひと葦
からだを破って精気を満たすように、
すばらしい夢の中の夜よ。
父親の古い衣類は、不快感の乳を離れ、
ベッドサイドで鳴かず一日の終わりの日、
荒廃する 無数の朝に揺れる葉よ。
・・・葉によって浮かび上がっている 手は
知っていた 耳障りな音と嘆き熟考し、
彼の目を開かれた。ぞっとするほど――
緊張する人間の感覚が戻ってくる
少なくとも街のうえには、昨夜の夢を反芻して
放浪する羊飼いという雲たち。


【150 永遠は、声だけが遠い】


ラァムプの光を弱くするように
目を閉じて、あの夏・・
裸の陽に灼けた 蝉が鳴いていた。
光に栄え、――ときに僕たちの新しい世界は
自分の汚れを洗っている朝の冷気から
幸福な昼のぬくもりの中で夜の霊的な昂ぶりを実感し
陽射しが悟りを、ひとつの韻のように運んでくる。
目がくらむ光景――処女の美しさ やがて薄れてゆこうとも
嫉妬に毒々しく甘えた永遠では人間の臭気どころか
巧みに動物的罠にはまり、真実は不快な羞恥のうちに
一つの世界の恋すら打ち明けぬのだ
君は吹き消されまいとする黎明の自然の愛の姿だから
魂はきっとリバティの炎のように
その後少し震えたはずだ――
泳いでいる。見える。両腕をもって、時につき抜けてゆく
砂に寝かせる――火をおこし、鼻を鳴らしては
せせら笑う人間の運命がヒュウマニティの海に入る
砂浜はどうだい このさいげんのないイマァジュが忽然と消えた
雲間を内部というブラァクボクスにうつし
金色の霧と暗い影を放ち――影、影はまだ
落ちてはいないけれども・・その瞬間、
心の底から永遠を批判した。していた、
溺れながら・・そう、寒さにふるえながら、さみしく黙って
どこかで餓えた子供という鐘の音が僕には聴こえ、
そして僕は何度も砂のほてりを運ぶ、飲み乾したジュゥスのように
僕は苦しみのコゥラス、濡れる、少しずつ濡れる
空の黄昏の中に雨よ、おまえが、やわらかくとどまるならば
消えよ、そしてまた消えよ
批評家は水をスポンジで吸い、りこうさは机や壁にあるばかりの
花瓶にした。お前ならどうする、・・飲み乾したい、孤独の秘め事は
もう止めるんだ、嵐のように魂が旅をしていることを、
ちょうど咽喉から滑り落ちていく下降するという現象のように
たえず求めている破壊に似た建設の姿を繋ぎ止めるんだ・・
そうしてようこそと揺らめいている幸せと嘆きの喪が始まる、
不朽の名声は、友よ、僕等を膿ませる
憎悪と呪詛、糸をつねに吐き続けている蜘蛛、
つねに跳び続けている蛙
――僕は跳ぶ 平凡な 愚かな 狂態のさなかに。
打つ波に 泡をなす深き模様の千古のふり止まぬ雪のなかに。
堕ち。また古代の原始的光景の再来のように陸にあがる。
勝利はない、けれども畏れていたような敗北もまた、
ない・・僕は苦悩と混沌のささやきに光る皮膚が囁きを帯びたことを
知った。どうだ、この去るもの、そこに在るものの青空の無為の姿は
ああ叫びだせ僕の心の胸、まじわるな歌の翼
とおい記憶にまかせて洗う明日など物質を手に取った瞬間
消えてゆく剥き出しのサイダァのはずなのだから――
荒れた浜に、見ろ、されこうべのような僕
絹のようにやわらかくなる静脈、その神経の束・・構うものか、
永遠よ、ひびが入るたび、その音を聴く。
そしてもうここに人気はない、でも時針の針は動かない、ここは、
もう時間を必要としない接吻と絶息、海草と貝殻と砂とに
水は汐の薫りをうかべ、ふと、くろぐろとした穴のなかへ、
入るように。・・海へ飛び込んだ、飛び込んだんだ
そして僕の刹那は消えてゆく、照り映える純白の雪の鏡のように
海は。ただ海はおまえの瞳のように、記憶すら邪魔になる――


【151 ざらつきごつごつ
樹の肌ドングリしょくしょくしょく】


オッケエ。きみはオツケエマアクを作った
そしてその輪の中からツキノワグマなどというものを
手品してみせた。ええ。きみらしい透かし彫り。
そうだよね。

   《ててんぷいぷい ぱぱぱのぱあ》(誰もいない。)
   アラビアンナイトから突然出てきたような人物があらわれて
   骨のかけらでいたかった恐竜、地面の底深く眠っていた化石
   いまはそうだよね 風に不思議なときめき流れていましたよ
     ・・・・・・穏やかな晴れた日 ちょうちょが

  あて名のない切手。木の葉は自ら発火する ええーいとくらあ忍法
  たぬきたちの腹ふくれあがりやがる、木の実、きのこ、秋の七草
  さわやかな着ぶくれ。だったりする。かなあ。
  そうだよね――ぼくの心きっと、キャラメル味

    ああ鮭が。君の腹の中に蒸されている。因習に縛られない
    《力任せな生き物》(誰もいない。)
    ――「でもきっと、もう、誰もいなくていい・・」

そしてよいにおいがする無数のインフィニティマアク
合体する冬と山と思いあがった冬山は
ひとつの雪だるまとかいうやつなのであった。ぞ。
そうだよね、氷のテーブル、氷の椅子
・・・死という無数の莟 道路に 約束 壊れて行った

   《猪は突進して死ぬ》(赤、紫、青、白、黄色。)
   秋にお腹いっぱいになって冬眠するはずだったのに、町から、
   太鼓の音がする、――君はたまたま熊で、食糧不足だったことだけが
   ニュウスのクマだけど、君はうれしそうに歩きだす・・

  雪はあなうらが焦げる。電気しずかにめぐる。
  ツキノワグマ、そしてきみはオッケエの使者、
  オツケエを不条理劇に付随する浮上を構築する君のパワア

   パワアトウザアピイポオ レノンの宇宙
   《ポックルルックル ポックルルー》(鳩しかいない。)
   ――冬の町。ねむれぬ夜、この夜の森はと熊
   砂糖をさがして、まじめに、しっぽをチュリップにかえ、
     ・・・穏やかな晴れた日 ちょうちょが 撃たれた


【152 time stood still】


かなしき宵は
昔ながらの少女を
憶い出す
あの人の名前
死ぬ程の恋しさ
、浦島太郎が龍宮城で三年暮らす間に、
故郷では七百年が過ぎていた
センチメンタル幻画
吹く風の匂いは いまも
変わらないけれど
心をいたむるたびに青ざめしまい
胸にひかるガラス扉は追憶の鈍さ
「自然現象の経過を
記述するための
超時間的な永遠の存在への
試みと書いている」
センチメンタル
せんさいな花びら
・・・口づけた瓶のつめたさ



















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